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一般学生団体「筑波大学地理愛好会」の公式ブログです。会の活動や、会員がそれぞれ執筆した記事を投稿しています! 地理愛好会とは?→2018年活動開始。地理好きや地理を学びたい筑波大学生が集まるサークルです。全国各地への巡検や学類間交流、勉強会などを行っています。

2022年08月

 長かった免許合宿も本日が本当の意味での最後となるのであります。
 オートマの方々が卒業検定に打ち克ち晴れやかな表情で教習所を出てゆくのを見送ってから早二日、マニュアルの我々に対しても乗り越えねばならぬ試練は訪れたのです。帰り支度を終えて、実に十六日間にわたる共同生活の跡形も今はなく、もはやあの日々の残滓が仄かにちらつくのみである宿の部屋を出たのち、日課たる検温記録をつけ女将さんお手製のおにぎり二つを手に取って、その四名は決意の表情を湛えて朝一のバスに乗り込んだのでした。

 知る人知らぬ人共々バスに詰め込まれて通り過ぎてゆく二十分程度の通学路、西に出羽三山東に奥羽山脈を仰ぐ荘厳なる朝映えの田園風景も、教習所の入口にさしかかったところで垣間見える屋上に取り付けられた「マツキドライビングスクール村山校」の看板も、今日で最後になるのだろうかと感慨に浸れるほどの心的余裕も時間的余裕もなく、不安との格闘の中でガイダンス用の教室へと向かいます。検定上の注意点とか、担当教官が誰であるかとか、どのようなコースを走るかとかの最終確認が行われました。卒業検定の担当教官は非常に物腰の柔らかいことで知られる方で、修了検定の際にも担当になっていたということもあり、「あの人が見てくれるなら安心だ」と一先ず四人の間の緊張は解けましたが、不安は拭えません。

 トップバッターのH氏、K氏らの車を見送り、二番手の私達には四十分程の待ち時間が与えられました。修了検定と違って先行車がどのような運転をしているかは見ることができません。イメージトレーニングや教習手帳の確認を済ませ、「ここまできたらもうやるほかはない」と、相乗りをするW氏と決意表明を交わします。


 乗る前はどうなることやらと漠然とした不安がありましたが、一旦乗ってしまえばさほどの緊張感もなく、ただいつも通りの運転がそこにはありました。スピードを本来出すべきところをあまり出せていない、停車で路側帯侵入スレスレまで近づく、といった細かなミスはありましたが、さして気にするほどのことでもない、そのほかは十分にできていたから問題ないさ、などとタカをくくり、さも既にパスしたかのような気持ちでおりました。果たしてそのまま突っ込んで大丈夫なのでしょうか。
 路上運転に引き続いて、教習所内で縦列駐車が行われました。普段のように駐車するスペースの右前の地点からバックし、目印が見えたらハンドルを左に目一杯切り、再度真っ直ぐに戻して今度は右に目一杯……と思って視線を移したところで、それは起きていたのです。車体の左側が掠めたのでしょうか、目印となる黄色いポールが僅かに振動していたのです。なんだそれだけのことかとお思いになる諸兄もいらっしゃることでしょう、しかしこのポール、ぶつけたら検定即中止との謂れのある、実に悪名高きオブジェクトなのであります。あれ?もしかしてぶつかった?いやしかし終わってないし……それとも不合格確定?と、頭の片隅に嫌な引っ掛かりを残して、卒業検定は終了いたしました。

 合格発表まで再びしばしの休息。この短いような長いような待ち時間がまた中々精神的にしんどいものがあるのです。私は私でポールにぶつかったかどうかが気がかりなのですが、同乗したW氏は自分のターンにおいて二度ほどエンストしたことを悔いていて、本当に大丈夫なのかこれは、全員が延泊せずに帰れるのか……と、薄っすらとした不穏なムードが辺り一面に漂っているように思われました。

 定刻になり、合否発表の放送が流れてきました。我々四人の受験番号は1番から4番で、私は4番でした。

「卒業検定、本日受験された方……」

 運命の分かれ道です。

「1番から……」

 1番から……?何番まででしょうか。このタメの時間が最も緊張したように覚えています。

「……31番までの方、合格となります。」

 ……我々四人は手を取り合って喜びました。それはまるで幾千もの戦いを共に乗り越えてきた戦友のように。この瞬間、思い出す度胸熱く、何度天を仰ごうとて我が感嘆止む術無し……

その後、最後の昼食(二枚ほど余っていた食券をカレー2杯に使いました。ここの食堂のカレーは独特の甘みがあり非常に美味です)、涙の卒業式を経て、仮免許と卒業証書と初心者マークをさながらスターターキットのごとく手にします。一歩成長した我々は、紺碧色の共同生活への追憶と、またいつか山形へ来た時、再びこの地を訪れようという期待を胸に秘めてバスに乗り込み、ついに長かった山形での生活に終止符を打つことと相成りました。
 この二週間を、我々は決して忘れることはないでしょう。

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ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。免許合宿編は以上にて終了となりますが、地理愛好会は他にも様々な活動を行っており、このブログではその一端を公開させていただいております。興味を持たれた方は、ぜひ他の記事も読んでみてください。(T)
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 今日も朝が早い。少しは慣れてきたが朝6時起床はやはりキツイ。6時半のバスに乗って教習所へと向かう。

AT勢が見事全員一発合格でつくばっくした次の日、MT勢は卒検を明日に控え、希望と不安が混ざった心情で今日も教習を受ける。乗車券を発券し、担当教官の名前を確認する。ここでやはり心が揺れる。今日もやらかさないか不安になる。さらに朝一の寝ぼけた頭で7時から公道にでて事故でも起こさないか、ますます不安になってきた。しかし行くしかない。

あのチャイムが鳴り、教官に呼ばれ、教習が始まる。いつも通りエンジンを少しふかして慎重に発進。今日こそエンストしないぞ。

教習所の前の道で40キロまで加速。ぐいーん。とても清々しい。「止まれ」の標識では教習車が何台も待っていた。断クラの繰り返しだったが、エンストすることなく今日は左足の調子が良いようだ。右足の調子も良いようだ。

街中へ出ると登校中の小中学生やヘル中がたくさんいた。歩道上にいても動いている小中学生はとても怖く感じた。何かの拍子に車道へ出てきてしまうのではないかとかなり不安に思った。

ある信号の交差点では対向車や横切る車、横断歩道を渡る小中学生やヘル中で3分も右折できなかった。このように朝に急いで慌てていたら事故を起こす可能性がある場面にも遭遇した。とても良い経験になった。

その後教習所へ帰ってきて、縦列駐車と方向転換の練習。練習前に教官から「手順の確認をしなくてよいか」と聞かれたが、私はこの二つはかなり自信があったので「必要ない」と返事してしまった。

まずは縦列駐車。車がうまく収まったと思ってドヤ顔で教官の目を見ていたら、「まだサイドブレーキを引く動作が終わっていない。本番は検定員の目を見てもなにも教えてくれない。」と喝が入った。このことについては深く反省した。特にドヤ顔をしたことに反省した。自分ではほぼ完璧であると過信していたが、まだまだ抜け目があったことを実感させられた。かなりメンタルにきた。

明日はいよいよ卒検。全員合格できるのか。

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9/21

 

 さて、本日はいよいよAT勢の卒業検定です。卒業検定は朝イチから説明が始まるので、やっぱり最後も朝6時半のバスです。2週間ずっとお世話になった宿舎にも別れを告げました。こんなに長期間一つの宿に泊まったのは初めてで、しかもホテルの従業員さんは暖かいお父さんやお母さんのような人たちばかりで、まるで実家を出るような寂しさがありました。

 教室に集められると、説明や書類の記入と同時に路上のコースも発表されました。卒業検定は教習生2人一組でそれぞれ往路と復路を担当します。バックの検定は、今日は三種類のうち縦列駐車が課されると発表されました。本番を待つ仲間たちはそれぞれ、緊張したり、ソワソワしたり、ワクワクして過ごしていましたが、むしろ皆もうすぐ教習所での生活が終わってしまう感慨のほうが強かったのではないでしょうか。私はなぜかジョギングをしたりストレッチをして体をほぐしていましたが、これがわりと効果的だったような気がします。

 私の順番が回ってきました。往路の担当だったので、教習所を出るところからです。私の検定を担当した教官は、ちょっとピリピリした雰囲気の方で、かなり緊張しました。最初からガチガチになってしまい、「これはヤバい」と思いました。一時停止、左折、右折、一つ一つ慎重に慎重にクリアしていき、一回目の停車です。私は緊張のあまりハザードランプとサイドブレーキの順番を間違えてしまい、ますます緊張していきます。もう手も足もガタガタ震えていましたが、なんとか往路を走り終えペアの人とバトンタッチ。ぐったりしながら後部座席でしばし休憩。実りの季節の田園風景はやはり美しく、また、心地よい風に吹かれ、ゆったりとした癒しの時間が流れます。教習所に帰り、気を引き締めてもうひと踏ん張り、縦列駐車です。練習で使ったスポットが混雑していて、急遽初めての場所で本番を迎えました。一つ一つ確認するようにブツブツと独り言を言いながら慎重に慎重にバックしていきます。……うまくいきました。駐車場に帰ってくると、教官から「これからも安全運転で頼むよ」の一声。大きなミスなく終え、すべての緊張から解放されました。

 結果発表。AT勢全員合格でした。受け取った初心者マークはなんだか重みを感じました。もうすぐこれをつけて一人で運転するのだと思うと、ちょっと緊張します。教習所の食堂でのお昼ご飯もこれで最後。残っていた食券を贅沢に2枚使って、定食とつけ麺をいただきました。教習所への別れのひと時を過ごす間、まだハンドル操作のおぼつかない教習車を眺めてこの2週間を振り返っていました。はじめはこんな大きな乗り物を2週間で習って卒業するなんて無理だと思いましたが、教官やホテルの従業員さんなど色々な人に助けられてここまで来れました。続いて卒業式です。卒業証書と仮免許を受け取りました。休む間もなく帰りのバスに乗り込みます。すれ違う教官の先生方にも感謝と別れを告げました。ここで過ごした2週間はずっと忘れないと思います。教官が僕らの安全をどれほど願っているか、絶対に忘れないようにハンドルを握ろうと決意し、黄金色の山形をあとにしました。(M)



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9/20

 

 この日は朝イチから教習でした。もう座学は終わってるので実車だけ。しかも実車での教習もこれで終わりなので、つまり第二段階もとうとう「みきわめ」です。1コマ目はバックの練習から。バックは縦列駐車と左右の方向転換で三種類ありまして、縦列(駐車)が得意な人が多いんですけど、私は縦列が一番苦手でした。なんだか縦列は右に左にハンドルを切ったり、見る箇所も多くてややこしい感じがします。そんなこんなで教官に渋い顔をされながらバックを終え、2コマ目は路上教習のみきわめです。本番さながら、車道の端に停車する練習を念入りに行いました。

 これにて最後の教習メニューが無事終了。この日はつくばから遥々レンタカーで応援(他の地理愛好会会員)がやって来まして、ちょっとだけ銀山温泉を観光。大きな車を軽々(?)と操るベテラン(?)ドライバーたちはさすがですね。銀山温泉は、山形県の北東に江戸時代から存在する温泉郷です。その名の通り銀が産出していたらしいです。噂通りの素晴らしい景観でした。ささやかな渓流にこじんまりとした橋がずらりと並ぶ光景はここでしか見られないものだと思います。歴史ある旅館だけでなく若手の店主が経営しているオシャレなお店も多く、活気ある観光地はやはり新陳代謝もうまくいっているものだと感じます。今度は雪景色を見に行きたいと思いました。

 かくして仲間の応援を背に受けた我々、特にAT勢は明日の卒業検定に向けて鋭気を養ったのでした。旅立ちに向けて荷物をまとめ、東根グランドホテル最後の夜を過ごしました。(M)

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