1.はじめに
こんにちは,本日のテーマはみなさんご存知のイオンモールです!日本を代表すると言っても良い郊外出店を特徴とするショッピングセンターブランドですね!
まず初めに郊外型SCについての小噺を少々,郊外型SCと聞いてみなさん思い浮かべるワードは没場所性とか中心市街地衰退とかかなあって思います.例えば全国のイオンモールってどこに行っても割と同じような商品とかテナントが入っていてその土地の固有性ってあんまり見られないですよね,また郊外型SCの集客力を前にもともとの中心市街地が衰退するっていうイメージは一般的かなあと思います.
ただ実は郊外型SCといっても色々な立地形態があります.そこでここでは郊外型SCの代表格であるイオンモールを定量的に3つの分類に分けてみることで,その一端を明らかにしようと思います.
本分析では関東地方のイオンモール全35店舗を対象にしています.全35店舗について「最寄り駅までの直線距離」「徒歩15分圏内の人口」「賃貸面積」「駐車台数」「開店からの年数」の5つのデータをあつめました.
分析手法は主成分分析とクラスター分析です.主成分分析というのを簡単に言うと「多くの次元のデータ(ここでは5次元のデータ)を少ない次元でなるべく情報を失わないように説明する」という分析手法です.クラスター分析の方がわかりやすいと思いますが,「データから何個かのグループに分ける」という分析手法です.まあわからなくても読み飛ばして結果を見るとなんとなくわかるかな~って思います!
3.分析結果
まず,主成分分析を実施します.
表1 各変数に関する主成分負荷量
図1 各イオンモールごとの主成分得点
いままで5つの種類のデータ(5次元データ)だったのを2つの種類のデータ(2次元データ)で説明できるようになっています.1つめの軸は「ロードサイド軸」です.総賃貸面積が広く,駐車場台数が多く,周辺人口が少ないイオンモールは高い得点(つまり右側にプロットされている)を得ています.対して逆の傾向を持つイオンモールは低い得点(つまり左側にプロットされている)を得ています.2つめの軸は駅チカ新築軸です.駅からの距離が近く,開業からの年数が浅い傾向にあるイオンモールは高い得点を得ています.(つまり上側にプロットされている.)対して逆の傾向を持つイオンモールは低い得点を得ています.(つまり下側にプロットされている.)
ここまででも様々なことがわかりますが,更にクラスター分析を実施して3つのグループに分けてみました.
図2 関東地方のイオンモール全店舗のクラスター分析結果
4.考察
以上の分析より考察できることを羅列していきます.
- 郊外核出店型の場合,ロードサイド得点と駅チカ新築得点の双方が高いです.郊外核出店では鉄道へのアクセスも考慮した立地を取るが,同様に鉄道からのアクセスを考慮している沿線立地型とは,店舗の規模が大きく周辺人口が少ない点で異なることがわかります.本分析のみで結論づけることは困難ですが,都市密度と地価の関係,再開発余地のある大規模用地の有無などが影響を及ぼしている可能性があります.
- 幕張新都心等の外れ値を除き,グラフから負相関の傾向を読み取ることができます.新しいイオンモールの方がロードサイド傾向が弱いことが示唆されます.(なお,関東地方で築年数の浅いイオンモールTop10のうち7つが沿線立地型に分類されました.)
5.おわりに
当記事いかがだったでしょうか.普段何気なく訪れるイオンモールのような郊外型SCについて少し違った見方ができるようになったのではないでしょうか.
本ブログでは数学的な説明をかっ飛ばしていますが,ちゃんと理解しようとするとそこそこ線形代数や微積分の知識を要求されます.高校では「文系科目」である地理ですが,関連した研究を行おうとするとこのような計量的なアプローチもあります.この学際性も魅力の一つではないでしょうか.
さて,筑波大学地理愛好会は間もなく新歓時期です!地理に興味があって詳しい人はもちろん,みんなで楽しくワイワイ旅行をしたいという人にもおすすめのサークルです.Instagram・Twitter・公式LINEなどで情報発信しておりますので確認してみてください!
6.参考文献
- 日本統計学会編,統計学,東京図書,2013
- 赤平昌文,統計解析入門,森北出版株式会社,2018
- イオンモール,「施設のご案内」, https://www.aeonmall.com/mall/lists.(最終閲覧日:2022年3月2日)
- 地図で見る統計(統計GIS), https://www.e-stat.go.jp/gis (最終閲覧日:2022年3月2日)
- 藤井正,神谷浩夫編著,よくわかる都市地理学,ミネルヴァ書房,2014








